導入事例:岩手開発鉄道

August 19, 2014

岩手開発鉄道は、岩手県の大船渡で山間部から採掘した石灰石を市内の加工工場まで輸送する事業を展開しています。機関車1台で18台の貨物車両を牽引し、35トンの原石を運搬します。通常の運行スケジュールでは、鉱山から工場までを毎日13往復しますが、大船渡の周辺住民からは、早朝のエンジン始動時の激しい排煙に対する苦情があり、同社は環境への悪影響の低減を模索していました。

2012年11月、岩手開発鉄道からこの問題についてのご相談をいただいた当社は,マーケットマネージャ中村光臣を中心に担当者と協議した結果、最適なソリューションとしてHOTflow™ CSMクーラント予熱システムをご購入いただくことになりました。この製品には、エンジンクーラントを予熱してエンジン内を循環させることでエンジン全体を保温し、速やかに始動できるようにする効果があります。

2013年1月、HOTSTART本社から派遣された鉄道フィールドサービス技術者Mike Jankeは、HOTflow™ CSMクーラント予熱システムを岩手開発鉄道の機関車に取り付けてテストするため、中村マネージャを同行して大船渡を訪れました。この機関車には、車両の片側に1基ずつ、2基の6気筒35リッターエンジンが搭載されています。予熱されたエンジンと予熱されていないエンジンで始動時の排煙の量がどの程度違うかを比較するため、CSMクーラント予熱システムが片方のエンジンにだけ装着されました。

CSMクーラント予熱システムは、2時間半かけてエンジン温度を外気温から20℃ほど高い約26℃まで温めました。ここで予熱されたエンジンを始動したところ、排煙の量は予熱されていないものに比べおよそ半分になりました。すでに大きな改善ですが、技術者Jankeは排煙をさらに減らすため、出力6kWのヒーティングエレメントを9kWタイプに交換し、2回目のテストに臨みました。3時間半後、エンジン温度は約38℃に上昇し、この状態から始動したところ、エンジンの立ち上がりは非常にスムーズになり排煙はほとんど発生しませんでした。もちろんこのとき、HOTflow™ CSMクーラント予熱システムを装着していないもう1基のエンジンからは、周辺住民を悩ませてきた大量の排煙が音を立てて立ち昇っていました。

岩手開発鉄道のエンジニアのみなさんには、排煙の減少をとても喜んでいただけました。HOTflow™ CSMクーラント予熱システムの著しい効果を確認した同社では、4台の機関車にヒーターを取り付けて、各機関車の始動スケジュールまでに予熱が完了するようタイマーをセットすることになりました。予熱したエンジンと予熱しないエンジンの排煙の違いは、テスト中に撮影された下記のビデオでご覧ください。


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